世界最大のアザミサンゴが成育する西表島崎山湾

 

 

  198287日、西表島西端の崎山湾口の海底で取材中に、偶然、巨大なサンゴ群体を発見した。水深18mのなだらかな礁斜面に、それは、まるでお椀を伏せたように盛り上がっていた。高さ4.5m、直径6.4m、周囲20m以上もある、途方もない“馬鹿でかさ”に驚いた。それまで20年以上も世界の主要なサンゴ礁の海に潜ってきたが、このように巨大な《群体》に出会ったことはついぞなかったからだ。太陽はすでに傾き、昼間でも薄暗い海底で、果たしてこのような巨大な被写体を35oカメラにうまく収めることが出来るかどうか、全く自信はなかったが、フィルムがある限りシャッターを押しまくった。結果は『沖縄タイムス』週末版に、カラー全面で紹介され、このニュースはあっという間に日本中に広まった。

 ギネスブックが世界一と認定したのは,申請から4年も経過した1986のことで、この間、ロンドンの「大英自然史博物館」の後押しも功を奏した。というのは、それまで『ギネスブック』の記録に「サンゴ」という項目がなかったことによる。つまり、比較するデータが存在しないので、申請されたものが世界一かどうか『ギネスブック』の生みの親であるノリス・マクワータ氏ですらもすぐに答えを出すことは出来なかった。当時、「大英自然史博物館」でサンゴ研究中の白井所長は、マクワータ編集長に直接電話で話したことで信頼され、即《認定》が決定された。因みに、現在でもなお、この記録は更新されていない。 

ギネス認定証↑

ギネスブック1986版

 

 

 

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